日本出版社(にほんしゅっぱんしゃ)は、東京都新宿区に本社を置く日本の出版社。日中戦争時代に創業、戦後は主に成人向けの娯楽雑誌を出版してきたが、1990年代以降は一般向けの出版物の比重も高くなっている。1938年、大日本帝国海軍の委託により出征先の兵士向けの慰問雑誌『戦線文庫』を発行する戦線文庫編纂所として発足。同編纂所の設立には文藝春秋社の社主だった菊池寛が関わっていたとされる。1939年には興亜日本社として改組され、戦線文庫の発行の中心人物であった笠倉寧之、矢崎寧之)と社長に就任。笠倉は文藝春秋社の元社員で、菊地の片腕だったと言われる。戦線文庫は太平洋戦争の終戦までに82号が発行されたものの、その性格上国立国会図書館にも収蔵されず、長年にわたり実態が不明であったが、2005年に日本出版社によって一部の復刻が実現し、戦史研究家の間で大きな反響を呼んだ。