『アラベスク』は、山岸凉子による日本の漫画作品。1971年から1975年にかけて発表された。
ウクライナ共和国キエフのシェフチェンコバレエ学校で学ぶノンナ・ペトロワは長身で優雅さに欠ける劣等生であったが、ソビエトの「金の星」と称されるユーリ・ミロノフに見出され、レニングラード・バレエ学校に編入する。編入早々から猛特訓を課すミロノフの真意がわからなかったノンナであるが、全てはノンナをレニングラード・キーロフ・バレエ団の新作バレエ公演『アラベスク』のモルジアナ役に抜擢するためであった。ノンナはミロノフの期待に応えて公演を成功させ、当初から計画されていた映画化が実現するが、映画版のモルジアナ役をモスクワ・ボリショイ・バレエ団のライサ・ソフィア(ラーラ)と争うこととなる。『瀕死の白鳥』のダブルキャストによる対決の結果、観客と評論家の支持を得たラーラが役に決まり、傷心のノンナは逃避行の旅に出る。旅の途中、とある小さな町にたどり着いたノンナは町の劇場のベテランプリマであるオリガ・デミードウに出会い、バレエの心を教えられる。折しも様々な要因が重なったことにより映画の撮影が難航しており、撮影現場ではノンナを推す声が高まっていた。撮影現場に戻ったノンナはラーラとの再テストに挑み、遂に役を手に入れる。『アラベスク』映画版は大成功を収め、ノンナは世界の注目を浴びる。その後、ノンナとミロノフはパリ・オペラ座バレエ団から客員として招待され、クラシックを基礎とするソビエトのバレエとは異なる自由奔放なフランスのモダンバレエをクレール・マチューとロベールから教わる。フランスからの帰国後、『アラベスク』映画版の功績が評価されたノンナはウラノワ特別賞を受賞する。
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