怪物事変

とある田舎の旅館を経営する叔母一家のもとで生活する13歳の少年・夏羽（かばね）は、物心つく前から鬼の子扱いされた挙句、地元では「泥田坊」と呼ばれており、彼の叔母や従弟を含む周囲から疎んじられていた。ある日、地元で家畜の変死体が相次いで発見される事件が起き、怪異現象を専門に扱う探偵の隠神（いぬがみ）が調査のために東京から訪れた。夏羽の正体は、人間の女性と、妖怪（怪物）である屍鬼（クーラー）の男性との間に生まれた半妖の子だと見抜いた隠神は、夏羽を閉鎖的かつ悲惨な境遇から救い出すべく東京の探偵事務所へ連れ帰る。

飯生政権が推し進める「真物化計画」を阻止すべく、真物を無効化するワクチンの作成に必要な情報を得るため、研究所と飼育場の二箇所に分かれて向かう夏羽たち。ですが、飼育場の調査中に暴走した真物を止めようとした晶が意図せず真物を殺めてしまうのです。誰も死んでほしくはないと願う晶の心は、それは深く傷付くのです。片や研究所に潜入する夏羽・織・紺・卜部の四人は、そこで何を見つけるのでしょうか…。