『夢みる惑星』(ゆめみるわくせい)は、佐藤史生作のSF漫画作品。1980年春の号(創刊号)から1984年5月号まで『プチフラワー』誌に連載。当初は『夢みる惑星より』という連作であった。「竜の谷」・「銀の舟」・「天の足音」・「星の都」・「紅の影」・「夏至祭」(前・後篇)と続いた後、第7話で「夢みる惑星」と改題し、第21話までの連載長篇となった。神殿が宗教的権威と先進的科学の両方を独占する超古代文明を舞台として、予見された震災に備えるために若くして大神官となった主人公を中心とする特異なリスク・コミュニケーションの展開と、それにともなうさまざまな確執を描く。コミックス4巻、文庫3巻、愛蔵版4巻のほか、イラスト集が刊行されている。
主人公イリスはアスカンタの第一王子であるが、出生上の問題のため、宮廷を離れ山中に母と隠れ住んでいた。その母は死に臨み、各地の神殿を統括する宗教の中心である「谷」でひっそり一生を終えるように言い含め、イリスを「谷」に託す。父モデスコ王はイリスが王位を継ぐことを望むが、それに対して「谷」の神官エル・ライジアは、数百年来該当者の無かった大神官(エル・シャッダイ)としてイリスを推戴しようと画策し、大神官になるのに不可欠である「幻視能力」をイリスが持っているかのように見せかける。イリスは能力者ではなかったが、エル・ライジアの志を受け継ぎ、己を能力者であるかの如く見せかける芝居を演じ続けながら、大陸に到来すると予見されている危機に対処するため、「谷」の宗教的権威と科学的知識を利用した策謀をめぐらせる。