「生命の木」(せいめいのき)は、諸星大二郎の漫画作品。処女連載シリーズである『妖怪ハンター』の一作。1976年の『週刊少年ジャンプ』増刊8月号に掲載され、後に単行本化された際に他の作品と共に収録された。また2005年に、『生命の木』を原作とした映画『奇談』も公開されている。
「はなれ」と呼ばれる、東北地方某所の隠れキリシタンの集落には、「世界開始の科の御伝え」という聖書異伝が伝わっている。それによると、太古、人間は楽園で暮らしていたが、禁断の果実を食べたことで「でうす」の怒りを買い、楽園を追われたという。このうち「あだん」と「えわ」の夫婦は知恵の木の実を食べたが、もう一人の人物「じゅすへる」は生命の木の実を食べた。そのため、「じゅすへる」とその子孫は神と同様に不死となり、地上が人間で満たされることを憂いた「でうす」は「いんへるの」を開き、「じゅすへる」の一族をそこに引き入れ、「きりんと」が来たる日まで尽きぬ苦しみを味わう呪いをかけたのだという。