『カンタレラ』は、氷栗優による日本の漫画。ルネサンス期、15世紀から16世紀のイタリアを舞台に、チェーザレ・ボルジアら実在の人物をモチーフに描いた歴史・ファンタジー作品。単行本全12巻が秋田書店から発売されている。海外でも翻訳・刊行されている作者の代表作である。
ロドリゴ枢機卿が、囲っていた女に産ませた子・チェーザレは、異腹の弟のホアン、妹のルクレツィアとともに美しく優しい未亡人ヴァノッツァ・カタネイに育てられる。やがて彼は、父に愛されていないことを自覚すると同時に、自分の中に魔の気配がひそんでいることに気付く。そしてある日、弟ホアンから、父が法王の座と引き換えに自分を悪魔に売ったこと聞かされる。父の態度でそれが嘘でないことを知ったチェーザレは、生きることに絶望し死の淵をさまようが、魔物との交合によって生き延びる。その代償として、自らを飲み込もうとする魔と戦いながら、自らの野心を満たすために、血塗られた謀略と殺戮を重ねる運命に身を委ねる。