『次郎長放浪記』(じろちょうほうろうき)は、阿佐田哲也による日本の小説。最初『清水港のギャンブラー』の題名で発表され、後に改題された。
清水にある米問屋「甲田屋」の主人の養子・次郎長(本名:長五郎)は、店の仕事をサボり悪友の蛙けんと共にヤクザの親分・小富が仕切る賭場に赴いて博打の愉悦に浸っていた。そんな中、鎌吉という名の博徒が現れ、彼の持つ技に惹かれた次郎長はイカサマをする理由を聞いた上で互いに認め合う博徒として健闘を祈った。翌日、虚無僧が次郎長の前に現れ、彼に25歳以上は生きられないと告げられてしまう。このことが、後の東海道一の大親分になる運命に導く決め手となった。その晩、蛙けんと共に相変わらず賭場に来ていた次郎長に転機が訪れる。鎌吉が小富に様を見破られ右腕を切り落とされてしまった場面に直面した次郎長は、体内から煮えたぎるような気持ちになり、実父である雲不見の三右衛門の血が目覚め、鎌吉が犯したサマの証拠をもみ消したのだ。そして小富の賭場から逃亡した次郎長は、鎌吉を連れて蛙けんと別れ、清水を後にした。