『NAGI』(なぎ)は花見沢Q太郎の漫画作品である。『ヤングキングアワーズ』(少年画報社)2003年8月号から2004年6月号に掲載。単行本全1巻(少年画報社)。
大玄老(だいげんろう)という剣術の達人の生み出した「夢玄流(むげんりゅう)」はその息子のとき二つの流派に分かれた。すなわち、玄一郎(げんいちろう)の「七天夢玄流(しちてんむげんりゅう)」と里松二九郎(さとまつふたくろう)の「南辰夢玄流(なんしんむげんりゅう)」である。玄一郎の七天夢玄流は裏社会の日本征服を考え、邪魔な南辰夢玄流の絶滅を計った。そしてついに、九州の有明海の小島に孫娘凪(なぎ)と二人暮しの里松二九郎が南辰夢玄流の最後の生き残りとなり、この息の根を止めるべく、白炎、紅煙の二人が手下を引き連れてやってきた。多勢に無勢、二九郎は切り殺されてしまう。ところが、無力な小娘と思われていた少女凪(ナギ)は物心ついたころから剣技を仕込まれた南辰夢玄流の達人で、刺客をすべて切り殺して祖父の敵をとってしまう。祖父が死の直前に教えてくれた、おまえの母は生きて松前(北海道)にいるという言葉を頼りに、愛犬カエサルとともに松前をめざして旅を開始した。しかし、凪が南辰夢玄流の後継者だという情報は漏れてしまっており、凪とカエサルは行くあちこちで七天夢玄流に襲われることになる。