『公家侍秘録』(くげさむらいひろく)は、高瀬理恵による日本の漫画。小学館の雑誌『ビッグコミック』および『ビッグコミック増刊号』にて1997年から2009年まで不定期で掲載された(単行本第七集まで収録分)。高瀬はその後、『江戸の検屍官』(原作:川田弥一郎)を『ビッグコミック』で不定期連載したが(2010年 - 2018年)、その間にも2012年に同誌で本作が短期連載された(単行本未収録)。その後、本作は『COMIC魂』(はちどり発行、主婦の友社発売)へ移籍し、2019年3月号に1話が掲載された(単行本未収録)。不定期連載の予定であったが、以後の掲載がないまま同誌は2020年3月号をもって休刊となった。
江戸時代後期の京都で少禄の公家・日野西家に仕える凄腕の青侍・天野守武を主人公にした漫画で、主人である日野西晴季やその一人娘の薫子とのドタバタ劇を交えつつ、京都で起こる様々な事件を守武らの活躍で解決する物語である。守武は日野西家に伝わる名刀・粟田口久国の守役「刀守り(かたなもり)」であり、初期には貧乏公家と侮って粟田口久国を狙う幕臣、諸大名家に仕える武士や商人たちとの暗闘が主要なテーマであったが、その後は守武の腕を見込んで日野西家主従の許に持ち込まれる事件、あるいはたまたま主従が遭遇する事件(他家の守役や守役崩れが絡んだ事件などもある)に守武らが関わっていくというのが主なストーリーになっている。エピソードは1話完結または前後編などの短い続き物である(続き物は『ビッグコミック』本誌掲載時のみ)。