『ビッグウイング』は、原作:矢島正雄、作画:引野真二による漫画、またそれを原作としたテレビドラマである。
東京国際空港旅客ターミナルビル(現:第1ビル)「ビッグウイング」の案内カウンター「ツアーデスク」に勤める吉川久美子の奮闘ぶりと周辺の空港利用客や空港職員の人間ドラマを描いた群像劇的な作品で、物語は1-2話完結形式となっている。本作に登場する空港来訪者や搭乗客は何かしら過去のトラウマを抱えており、久美子の“お節介”で励まされ、それぞれの生きていく道を見いだして空港から離れていくという構成が多い。また、青年以上の人物が中心となる話では、バブル経済の後遺症(平成不況)や受験戦争、戦乱、事故など時代に奔走されて不遇な人生を過ごしてきたことを回想(投影)する描写が多用されている。