『地底国の怪人』(ちていこくのかいじん)は、1948年に手塚治虫が発表した漫画作品。本項では、リメイク作品である『アバンチュール21』も含めて解説する。
『地底国の怪人』は、1947年に発表された『新宝島』『火星博士』に続く、手塚治虫の長編漫画単行本第3作目である。ただし手塚自身は、前2作が太平洋戦争以前の古い漫画様式を引きずっているとして、本作品を「いわゆるストーリー漫画の第一作」と位置づけている。この作品は、発売当時の漫画作品一般には見られなかった、「主人公級の登場人物が死亡する」というアンハッピーエンドの要素を取り入れたとして話題になった。本来の作品タイトルは、ベルンハルト・ケラーマン(英語版)の小説『トンネル(英語版)』にちなんだ「トンネル」であったが、出版社側の要望によって現在の題名に変更され、「トンネル」は副題として記載されるに留まった。ただし、後に手塚がまとめたスター名鑑の中では、本作品で商業デビューしたハム・エッグのデビュー作は「地底国の怪人」ではなく「トンネル」と記されている。