『ビッグX』(ビッグエックス)は、1963年11月から1966年2月まで集英社『少年ブック』に連載されていた手塚治虫の漫画作品、およびそれを原作とするテレビアニメである。また「ビッグX」は、薬品またはエネルギーの名称であると共に、それにより変身した主人公を指す場合もある。
第二次世界大戦時、無敵の軍隊を作ろうと目論むナチス・ドイツの下で、日本人の朝雲(あさぐも)博士とドイツ人のエンゲル博士は、ヒットラー総統の命令のもと、生物を鋼鉄のように強靭でしかも巨大化させる薬品「ビッグX」の開発を行っていた。ベルリン陥落の直前、朝雲博士は「ビッグX」の平和利用に一縷の望みを託し、その製法を記したカードを朝雲の息子のしげるの体内に埋込んだ。その直後に両博士は、「ビッグX」の完成を故意に遅らせた疑いにより射殺され、研究書類は全て焼き捨てられた。20年後、しげるの体内から発見され摘出されたカードを、ネオナチの秘密結社「ナチス同盟」が狙って襲撃してくる。しげるはビッグXを完成させるが、ナチス同盟に襲われてカードは失われ、しげる自身も殺害されてしまう。翌年、花丸博士との協力で「ビッグX」を完成させたしげるの息子・昭は、自ら「ビッグX」で巨大化してナチス同盟に立ち向かうのだった。