『コマツ岬の生活』(コマツみさきのせいかつ)は、つげ義春による日本の漫画作品。1978年6月に、『夜行7』4月号(北冬書房)にて発表された短編漫画作品である。
夢を題材にしたシュールな作風の『夜が掴む』に続く作品。当時、心身ともに疲弊していたつげはストーリーを考える余裕すらなく、構想が広がらない日常の中に身を置いていた。当時、つげは弁護士の正木ひろしの夢日記を読んでおり、つげはその挿絵を面白く感じていた。この頃、しばらく夢を基にした作品が続くのは、ストーリーができなかったためである。つげ自身は、夢を漫画にすることにさしたる意味は見出せず、むしろ不安定な気分になる。そのため、何のために書くのかという理由を求めてしまうが、後に読み直せば意味づけ不要で面白さを感じたと述べている。特にこの作品では、1975年6月3日につげが見た夢に手を入れず、夢をあるがままに描いている。作中登場する男はつげ本人、妻はつげの妻である藤原マキがモデルである。