『やなぎ屋主人』(やなぎやしゅじん)は、つげ義春による日本の漫画。1970年2月から3月にかけて雑誌『ガロ』(青林堂)に発表された全40ページからなる作品である。衝動的に放浪の旅に出た孤独な青年の体験と内面を劇画調に描いている。
主人公の青年は、ある晩、ヌードスタジオの階下で掛かっていたレコード「網走番外地」の歌を聴き、衝動的に海が見たくなり房総半島への列車に乗る。直前まで主人公は自分がだめになりそうな強い不安感にとらわれ、捨て鉢な気分になって新宿のヌードスタジオに通いつめていたのであった。だが、なじみになったヌードスタジオの女にも暗い過去があり、将来の展望もないのだった。