「山寺グラフィティ」(やまでらグラフィティ)は、藤子・F・不二雄(発表時は藤子不二雄名義)の漫画短編。山形県の山寺(立石寺)にまつわる言い伝えを題材とした伝奇SF作品。大森望は、一見すると伝説を元としたホラーや怪談の様でありながら、結末にSF的な理論性を感じると評している。
主人公の加藤広康には、木地かおるという幼馴染の女の子がいた。お互い意識していたわけではなかったが、ずっと仲良しでいつもそばにいた。しかし、彼女は高校時代に亡くなってしまう。雪深い日のことであった。その後上京し、東京でイラストレーターとしての活動を始め、3年が過ぎた。そんなある日、かおるにそっくりの女性に出会った。ところが話し掛けても反応がない。どうやら彼女は主人公にしか見えず、話すこともできないらしい。彼女は主人公の部屋に来ると、座ったままじっと動かず、暗くなるなりフラッと帰って行く。どこから来たのか?帰りに送って行こうとしたものの、どうしても途中で見失ってしまう。だがせっかくまた会えたのだから、彼女を快く部屋に招き入れ、外へも一緒に連れて行くことにした。(飲食はできるらしい)